映像普及に伴うダンスシーンの移り変わり
映像普及に伴うダンスシーンの移り変わり
2021年1月、日本発世界初のダンスのプロリーグ「Dリーグ」が開幕されました。
野球にはメジャーリーガーがいる様に、サッカーにはJリーガーがいる様に、ついにダンス界にも明確に“プロダンサー”という名に位置付けられる一つの職業が生まれたことはダンス業界には革新的な出来事です。
いま若者を中心に国内でも大きな社会現象となりつつあるストリートダンスの文化。
自分が地元北海道のダンススタジオでヒップホップダンスを習い始めた頃、当時2010年と約10年程前に遡るが、その頃と比べて現在の日本のダンスシーンにはどう変化があっただろうか。
そこで今回、共に紐付け考察していきたいのが表題にもある“映像の普及”という点だ。
又、その裏にもう一つ重要な項目となるのが“スマホ保有率の増加”である。
今日、普段の私生活の中で自分達が映像を目にする媒体の多くは何だろうか。
日本のダンスシーンを社会的現象と喩えられるまで、その波を創り大きく発展させてきた日本の若者達の多くは恐らくスマホと答えるだろう。
「NTTドコモ モバイル社会研究所」での国内調査によると、日本のスマートフォンの世帯別保有率は2010年が4.4%に対し、2020年には88.9%と約20倍に増加している。
上記内容により、近年ではいつでもどこでも手軽にインターネットの情報を得られる社会へと変化したのだといえる。
それに伴い、表題の映像普及という点に大きく関わってくるのが“SNS”と“YouTube”である。
いま若者の間で大きくユーザー数を伸ばし、SNSの代表的一角まで一気に上り詰めた“instagram”。
2014年に日本語版がリリースされ、2年後の2016年には24時間で投稿が消えてしまうストーリー機能の登場と共に若者を中心に国内へと浸透していく。
現在は若者のみならず、国内のありとあらゆるダンサー達もinstagramのアカウントを所有しているのではないだろうか。
文頭にハッシュタグを付けて“dance”と検索すると、投稿数は1.1億件。また“dancevideo”と検索をかければ一瞬で国内外のダンサー達の映像が237万件表示される。
自分のアカウントのタイムラインに流れる投稿を眺めてみても、ダンスレッスンやダンスショーケースでの映像であったり、はたまたSNS投稿用に作成したダンサーのプロモーション映像であったり。
いつでもどこでも、スマホさえあれば、ダンサー達が踊る映像を手軽に視聴することが出来るのだ。
そこから推測されるべき事柄として、ダンサーは勿論のこと、人気ダンサーのファンやダンスをこれから始めてみたいと思っている一般層がinstagram等のSNSを通して映像や情報を入手し、そこからダンススタジオやダンスイベント等に足を運ぶようになる。
ダンス界隈でのひとつの集客方法として“SNS”が成り立ち、それと同時に映像としてダンスを公開することがダンスカルチャーを世間からもう一歩身近に感じさせることができる手段のひとつとなるのだ。
又、ダンスシーン内のみならずここ数年で飛躍的に伸びている動画共有サイトがある。それが“YouTube”だ。
動画視聴回数の多い動画投稿者に対して広告収入を分配するシステムが一般に開放されたのが2011年。この頃から俗に言う“YouTuber”という職業が誕生し発展していく。
YouTuberには様々なカテゴリーが存在するが、その中に“踊り手”というジャンルがあることはご存知だろうか。“踊ってみた”というカテゴリタグの元、ボカロやアニメの曲を中心に踊っている動画を投稿する人達の総称である。
この動画ジャンルはYouTubeの飛躍と共に、徐々に世間一般へと認知されていくようになる。
使用曲の幅も広がり、現在では音楽業界で猛烈なブームを巻き起こしているK-POPアーティストなどの曲でも、人気YouTuberから一般投稿者まで多くの動画が投稿されている。
SNSに並びYouTubeでも、映像を通してダンスは確実に大きなムーブメントを創りつつあるのだ。
この様に、約10年前の2010年と比べダンスシーンは、スマホ保有率の増加を経てSNSやYouTubeを通して映像普及が進み、それに伴ってまたひとつ世間一般へ認知され発展してきた。
映像を通してダンスが世に浸透していく時代なのであれば、ダンサーキャスティングに関しては今後どのような変化が見られるのだろうか。
現在コロナ禍ということもあり、ダンスイベントや音楽アーティストのライブ等は延期や中止を余儀なくされる一方で、YouTubeのような動画共有サービス内でのパフォーマンスや振付を求められる案件が増えていくのだと思われる。
映像だと撮り直しが可能となるため、リハーサルに費やされる時間はイベントやライブより多少なりとも少なくはなるだろう。
だがそこに編集技術も加わるため、パフォーマンスに対してより細かな修正力も必要となってくるのかもしれない。
ダンサーが活躍できるフィールドは確実に増えてきていると言えるが、今後はより幅広く対応できるスキルが重要となっていくのだろう。
約10年前はイベント会場やスタジオなどの現場でしか得られなかったダンスシーンでの感動や情報を、今は映像を介してより多くの人達に届けることが可能となった今、自分たちもまたひとつ創意工夫をして更なるダンスの可能性を模索していきたい。
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