シャバドゥーとペンギン from "THE LOCKERS"
シャバドゥーとペンギン from "THE LOCKERS"
「シャバドゥーとペンギンというダンサーを知っていますか?」とダンサーの方に尋ねても、ロックダンスやTHE LOCKERSに詳しくなければ首をかしげる人がほとんどでしょう。ですが「ブレイクダンスという映画でロックを踊ってるダンサーを知っていますか?」と聞いたら「あぁー!ヒゲのノースリーブの!」と記憶に残っている人も少なくないのではないでしょうか。
THE LOCKERSのメンバーであるシャバドゥーは、俳優としても活躍していたのです。同メンバーであるペンギンも同じく、俳優としても有名です。ダンサーネームの示す通りペンギンのような愛くるしい体形も相まって、陽気なキャラクターでコメディ番組などで人気者だったようです。今回のコラムではこの2人に焦点を当てていきたいと思います。
●Adolfo "SHABBA-DOO" Quinones
シャバドゥーことアドルフォ・キノーネスは、プエルトリコ人とアフリカンアメリカンのハーフとしてシカゴで育ちました。彼もSOUL TRAINに憧れたダンサーの一人で、シカゴで始まったSOUL TRAINが人気を博し、大都市ロサンゼルスに本拠地を移すと共にシャバドゥーも追うように転居したとも言われています。そこで次第に実力を認められるようになりTHE LOCKERSのオリジナルメンバーとなります。
彼のダンスの特徴としては、上体を固定して手の動きをシャキシャキと見せるスタイルや、ジャンプしたのちにお尻でドスンと着地するようなコミカルでダイナミックなパフォーマンスが頭に浮かびます。
他にも帽子のツバで顔を隠してギターを弾くようなジェスチャーで踊ったり、ズボンのポケットに入れたハンカチが見つからず、こともあろうかズボンの中央から腕を出しクラップするなど、ひょうきんなアクションや表情で観客を楽しませてくれます。
また、Sly & the Family Stonesの Dance to the musicという楽曲に合わせたパフォーマンスでも、彼はコミカルな医者を演じながらダンスを披露します。その様子はまさにエンターテイナー。ダンスを武器に、映画の主演まで務めるほどですから、彼の天性のスターっぷりには感服せざるを得ません。
シャバドゥーが残した大きな功績の一つとしてはやはり、映画【BREAKIN'】(邦題 ブレイクダンス)の主人公の一人 " Ozone "役ではないでしょうか。1984年公開のその映画は、アメリカ発祥のブレイクダンスにスポットライトを当て、瞬く間に全世界を虜にしました。もちろん日本人の目にも届き、プライドを賭けたダンスバトルのシーンや、仕事の合間に見せるホウキを使った不思議なダンスは、ブレイクダンスやCGなど発達していなかった時代ということも相まって、誰もが感銘を受けたのではないでしょうか。
・その反響は日本のお茶の間にも
余談となりますが、筆者が初めて目にしたのは、ある日本の国民的アイドルによる人気番組内でのパロディ的なコントでした。それは【SMAP×SMAP】です。2000年〜20001年に渡って数回放送されたもので、SMAPのメンバーである木村拓哉と香取慎吾が劇中のダンサーに紛し、コント的要素もありつつ、実際ストリートダンスシーンで活躍する実力派ダンサーとダンスバトルを行うという主旨のコーナーでした。あの国民的アイドルグループがテレビ番組内で【BREAKING FIGHT CLUB】というコーナー名をつけて演じるほどですから、映画BREAKIN'の与えた影響は大変多大なるものだったと言えます。
●Fred "Mr. Penguin" Berry
THE LOCKERSのメンバーであるペンギンのもう一つの顔はコメディアンでした。アメリカのホームドラマに出演した際もロックダンスを披露したり、THE LOCKERSがチームで子供番組に出演した時にもその陽気な表情やパフォーマンスで人気者となりました。彼の影響でロックダンスを好きになったという人はきっと多かったに違いありません。
彼の独特な表現力が生み出したムーブの1つに【THE SLOW MOTION】というものがあります。Youtubeなどで彼らのSHOWを見ていただけるとわかりますが、ペンギンがソロダンスの際に音楽のリズムを気にせず大胆にスローモーションで動くシーンがあります。元気にファンキーに踊っていたかと思えば急にスローになり、また彼らしく踊る。それがまたチャーミングで個性的です。
そのマスコット的な出立ちや、お尻を見せてぴょんぴょん跳ねるなどかわいらしいダンスのイメージもあるペンギンですが、実はトニー・ゴーゴーの師匠であったと言われています。数々の功績や弟子を残してきたTHE LOCKERSの面々ですが、日本人に直接大きな影響を与えたのは間違いなくトニー氏だと言えます。トニー氏はGOGO BROTHERS(アメリカ人メンバー)やTHE LOCKERSとして活躍し、日本に渡り実の息子2人にGOGO BROTHERSを継承し、今なお第一線で日本のロックシーンを引っ張る存在として貢献しています。そんな彼を育てたペンギンこそ、我々日本人が敬愛すべき真の大恩人と言えるのではないでしょうか。
●あとがき
簡単ではありましたが、今回はTHE LOCKERSの大事なメンバーについてご紹介いたしました。他のメンバーについても記事を出していますので、よろしければご参照いただければ幸いです。
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