KNIFE、PACING、GIVE YOURSELF FIVE、3種類の動き
KNIFE、PACING、GIVE YOURSELF FIVE、3種類の動き~LOCK DANCEの動き⑦
今回のコラムではロックダンスのベーシックな動きの中でも、シンプルで使用頻度が高い手の動きをいくつかご紹介したいと思います。KNIFE、PACING、GIVE YOURSELF FIVE、この3種類の動きについてです。
●KNIFE(ナイフ)
直立で肩から肘を水平にあげ、その先を直角に上向きに立てるような形になります。非常にロックダンスらしいシルエットの1つと言えるかもしれません。動きの流れを書き出してみます。
①気をつけの姿勢で立つ
②体を引き上げると同時に肘を上げる
③肘が肩のラインまで来たら、肘の先を上げる
④肘から指先を垂直に立てる
イメージしていただけたでしょうか。「ナイフ」と言うくらいですので、上記の動作を「サッ!」とシャープにおこなうとスピード感が出て、いわゆる「キレが出る」状態になります。
先述したとおり大変シンプルな形ですので、振り付けの際には大いに活躍してくれます。両手でそのまま使ってもいいですし、片手ずつオンビートであげたり、エンカウントで素早く交互にあげたり、肘の角度を変えて水平方向に伸ばす場合もあります。
●PACING(ペーシング)
こちらも大変ロックダンスらしい動きになります。動きそのものというよりも、音楽の捉え方・表現の仕方がとてもロックダンスにマッチしていると言えます。
①気をつけの姿勢で立つ
②体を引き上げると同時に肘をあげる
③肘が肩のラインまで来たら、水平に伸ばす
④腕が伸びきるタイミングで手首を軽くスナップ
⑤空中を弾くように叩いてから同じ軌道で腕を下げる
特に④のニュアンスが大事で、FUNK MUSICの特徴であるドラムのビート(=ファンキー4ビートやファットバックドラムと言われるリズム)を強調するように、ノリよく空中を叩くと効果的です。
・名前はペーシング?ノック?ドラム?ダイス?
筆者が最初にこの動きの名前を知った時は「KNOCK(ノック)」と教わりました。響きの通り、ドアをコンコンとノックするような動きがゆえんだと容易に推察できます。そのノックの技術でドラムを叩くようにランダムにいろんな箇所を叩くようにすると「DRUM WORK(ドラムワーク)→ドラム」というバリエーションになる、という説もあるようです。
また、ある大先輩のダンサーの方のレッスンを受講させていただいた際には「自分はDICE(ダイス)と呼んでいる」とおっしゃっていました。「手の中でサイコロ(=ダイス)を転がすように手首を軽く使うから」とのことでした。感覚や音楽の表現など、踊り手のセンス次第で名前や踊り方に変化があるというのは大変趣きがあるなと感じます。
このようにいろんな呼び名のある動きですが「PACING(ペーシング)」と題してあるのは【OLD SCHOOL DICTIONARY】という、教材のような映像作品が発表された際に記載してあった名称だからです。そのビデオの中でロックダンスのオリジネイターから直接教えを受けたスキーター・ラビットとフローマスターの2人による解説やデモンストレーションを観ることが出来ます。「ペーシング」とは「ペースをとる」「ペースを掴む」ということで、自分がこれからロックダンスを踊るという時のアイドリングのようなものでしょうか。
・余談
アメリカならではの文化で靴に隠したお金を取り出して払うような仕草にも見えるため「PAYING(ペイイング)」と呼ぶという説もあります。何が正しいか、というよりもいろんな解釈を楽しめると踊りの幅も広がるのではないでしょうか。
時にはノックするように、時にはドラムを叩くように、サイコロを振るように、ペースを掴むように…同じような動きでも意識を変えて踊り分けるのもいいと思います。
●GIVE YOURSELF FIVE(ギブユアセルフファイブ)
最後にご紹介するのはこの動きです。この文字だけを見たらどんな動きか想像するのは難しいと思います。動きとしては…シンプルに「CLAP(クラップ)=手を叩く」だけなのですが、この「GIVE YOURSELF FIVE」の名称の由来を聞くとさらに踊り方に深みがでるように思います。
まず「FIVE」についてですが、五指を意味しているのか、これ自体がクラップの動作を表しているようです。ただ、アメリカ人がクラップする場合の事例として「イケてる時」が挙げられます。スポーツなどでいいパフォーマンスをした際にするハイタッチのようなものでしょうか。ロックダンスにおいては1人で踊ることが多いので「自分はイケてるから自分で(=GIVE YOURSELF)FIVEしちゃうぜ!」というようなニュアンスでクラップしているようです。
ただ手を叩くだけではなく、アメリカ人ならではの文化から来ているということを考えるとまた奥深さを感じますね。
●あとがき
ストリートダンス史の初期に生みだされたロックダンス、そのムーブの数々は日常からヒントやインスパイアを受けて出来たものが多いです。一見大変シンプルな動きや形なのですが、動きの本質を理解し、由来を知ることでまた踊りが変わってくるのではないでしょうか。HIPHOPの4大要素「PEACE、UNITY、LOVE、HAVING FUN(平和、団結、愛、楽しむこと)」これらに「KNOWLEDGE(知識)」加え近年では5大要素とされているように、知ることも大事にして文化を継承していけたらいいですね。
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