シンプルなのに難しい?
シンプルなのに難しい?
長年LOCKのインストラクターや振付師を務めさせていただいている筆者ですが、今回はレッスンをしていて感じたことなどをコラムとして書いていきたいと思います。
日本で「ストリートダンス」とカテゴライズされるものを列挙してみますと、HIPHOP、 LOCK.、POP、BREAK、HOUSE、WAACK、GIRLS HIPHOP、SOUL、BE-BOPといったところが一般的でしょうか。筆者も一通り基礎は習ってきたのですが、ロックダンスはその中でも比較的始めやすいダンスだと思います。もちろん個々人で好みや適性、インストラクターや音楽との相性などさまざまな要素はあると思いますが、それを踏まえた上でも、ロックは始めやすいジャンルであると言っても過言ではありません。詳しくお話ししていきます。
【ロックダンスはシンプルだ】
●基礎の動きや形がシンプル
まずどういった点をもって「始めやすい」と提言しているのかと言いますと「動きが直線的でシンプルなものが多い」という点が挙げられます。
直立のまま肘を直角に上げる形、耳の横で手首をくるくると回す動き、腕を真横に伸ばしたり戻したり、片足で前にキックして入れ替えて踏んだり…とにかく説明が簡単にできるムーブが多いのです。
ではランニングマンやクラブは?ハウスのルーズレッグスは?ブレイクのチェアーやフットワークは?となると瞬時に説明、あるいは習得できるものではないと感じます。もちろん、専門家の方の手によれば誰でもスッとできてしまうのかもしれませんが、どちらかと言えばロックダンスの基礎の方がシンプルな形や動きが多い分「覚えやすい=始めやすい」という部分があるように思います。
また、ロックダンスの動きは日常生活の中でも行ったりするものが由来であることが多いというのも、始めやすいと言える点の1つです。例えば指をさす、歩く、ジャンプする、手を叩く、握手する…などの動作がパッと思い浮かびます。他にもトムとジェリーの奇抜な動きからヒントを得たり、故障しがちな車を面白おかしく誇張したり、周りのいろんな所からアイディアを得てダンスへと昇華していったことからも、自然と体が動きやすいということに繋がるのではないでしょうか。
●名前もシンプル
このコラムでも数々のロックダンスのベーシックムーブについて解説してまいりましたが、シンプルな名前がついていて、かつ、基本的なムーブが比較的少ない=早く踊れるようになりやすいというのも利点の1つだと言えます。(アルファベットとひらがなの違いのようなものでしょうか)
これも個人差があることだとは承知していますが、名前のついていないステップを覚えるよりも、名前と一緒に覚えたステップの方が記憶や体に定着しやすかったり、振付をする際の伝達の速さが格段に違うので、筆者もなるべく名前とセットで刷り込むように教えることが多いです。
スキーター、スクービードゥ、スクーボット、ポイント、トゥワル、ロック、ストップ&ゴー、ウィッチウェイなど、主要なステップを覚えてしまえば、あとはパズルのように組み合わせて、ある程度踊れるようになるのは比較的早いと思います。
【ロックダンスの難しさとは】
シンプルではあるものの、ロックダンスに苦手意識を持つ人が多かったり、どんなにヒップホップのうまい人でもロックを踊り始めた途端にぎこちない動きになってしまう…という光景はしばしば見かけるのも事実です…(もちろん、逆もまたしかりではあるのですが)
シンプルなのに難しい、その理由を考えてみます。
①リズムが難しい
ロックダンスは「アップ」のリズムが基本です。まずこの時点で苦手意識を持たれてしまうこともありますね。おそらく他のジャンルではあまりアップの練習や実践はしないからではないでしょうか。
②手足がつくと難しい
さらに「手と足のリズムが違う」ということもロックダンスあるあるの1つだと言えます。「1&2」という足のステップをしながら「1・2」と手を動かす場合や、逆のパターンなど、ざらにあります。それがまたロックダンスの面白さではあるのですが、簡単かどうかと言われると難しいところです。
③カッコよく見せるのが難しい
基礎がシンプルなだけに、踊り手の工夫次第という余白の部分が大きいです。基礎の通りの形で動けばたしかに「早く踊れる」ようにはなりますが「カッコよく踊れる」のとはまた違う話になってきます。
④遊び方が難しい
前述した通り、覚える基礎は決して多くはありません。あとはそれをいかに音楽や自分の趣味趣向に合わせてアレンジしたり、クリエイトしたり…そういったところが醍醐味なのですが、明確な正解がないため、フリーで踊る経験などを積むのに費やす時間の方が長くなっていきます。
●あとがき
いかがでしたでしょうか。上記のような点から、始めやすく自由度の高いロックダンスは長所も短所も兼ね備えていると言えるのではないでしょうか。ただ教え方や教わり方によってはしっくり来る人も多いと思いますので、これから教える方や教わる方は、今回の内容を少し気にしてみるといいかもしれませんね。
どんなものにも長所や短所はありますし、どんな人にも向き不向きはあります。ですが、最初から「これできなそう」しっかりやってもいないのに「できないから無理」と諦めてしまうのはもったいないかもしれませんね。この記事をきっかけに、ロックダンスを楽しんでいただける方が1人でも増えたなら、これほど嬉しいことはありません。
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