オンラインレッスンにおけるデメリット
オンラインレッスンにおけるデメリット~コロナ禍で発展、オンラインレッスン③
同タイトルの前回のコラムに引き続き、オンラインレッスンについての内容をお届けしたいと思っております。前回は、そのオンラインレッスンのメリットについて解説してみました。そちらの内容が気になる方は【コロナ禍で発展、オンラインレッスン②】という記事をお読みいただければ幸いです。
それでは今回は、逆にそのデメリットについてお話ししていきます。もちろん単に「こういう点があるからオンラインレッスンはダメだ!」と言うつもりは毛頭ございません。「こういった点もあるので、理解した上でうまく活用しましょう」という主旨で進めていきたいと思いますので、誤解のないようよろしくお願いいたします。
●オンラインレッスンにおけるデメリット
同タイトルのコラム【コロナ禍で発展、オンラインレッスン①】でご紹介したようなツール(アプリ)ごとの優劣などではなく、オンラインレッスン全体について筆者が感じた不得意な分野についてお話ししていきたいと思います。
①通信環境の良し悪しで満足度に差がある
通常の対面式のダンスレッスンでは、その空間にいれば誰しも同じ条件でレッスンを受けることができます(人数が多すぎて鏡が見えない、などの問題は起こり得ますが、そういった場合を除いた一般例として話していきます。ご了承ください。)。インストラクターが振付を解説した声は、発したと同時に受ける側にも届き、その動きは見たまま、音楽と同時に体を動かす様を感じとれるので、動きやタイミングやその意味などをしっかりと学び取ることができる状況です。
ですが、オンラインレッスンになるとそうとは限りません。「家の中だと電波があまりよく届かない」「Wi-Fiの調子があまりよくない」などの問題で、通信や音声が途切れてしまったりする場合があります。そうなると満足にレッスンを受けられるとは言い切れない状況になってしまいますので、オンラインレッスンをしっかりと届けたい、または受けたい場合には、通信環境を整えた上で実施することが望ましいと言えます。特に個人で主催する場合に、教える側の通信環境がよくないとレッスンとして成り立たないので、充分に気をつけましょう。
②音や映像がずれてしまう
これは前述の①の項目にも関係することですが、現存のアプリなどでは、どうしても発信者側と受け取り手の側ではタイムラグが生じてしまいます。インストラクターが、自分の部屋で音楽を流して踊っている時は、もちろん本人はタイミングを合わせて踊ることができます。しかし、受講する生徒の側には音楽が遅れて届いている場合がほとんどです。その遅れた音楽に合わせて踊ることになります。
ですので、インストラクターが直に聞いている音楽のタイミングと、生徒が踊っている映像のタイミングは合っていないことがほとんどです。普段のレッスンと同じ感覚で「みんなが同じタイミングで踊るのが当たり前」だと認識していると、たった1秒、一瞬でもずれていたら違和感を感じるのは当然です。
5Gなどになったら変わるかもしれませんが、基本的には「ずれるもの」と認識してレッスンを行うのがいいと思います。臨機応変に対応できる力が養われます。
③レッスンを受ける向きが普段と異なる
大方のダンスレッスンは、インストラクターも生徒も鏡を向いて行われることがほとんどではないでしょうか。生徒側は、先生を後ろから見たり、鏡を通して動きを確認したりして動きの流れやポイントなどを吸収していきます。しかしオンラインレッスンの場合は、先生側も自室で行うことも多いので、その場合はスマートフォンやパソコンの画面に向かって踊ったり解説したりすることになります。
その場合は鏡に映った状態にはならないので、インストラクター側が左右反転して振付を伝えたり、受講側が対応して頑張って覚えるか、何かアプリの機能などを駆使して画面を反転させるか…などの工夫をしながらお互いやりやすい状態で行えるといいのではないでしょうか。
但し、教える側がスタジオなど鏡がある環境で通信をすることが出来れば、その限りではありません。
④自分の動きと先生(生徒)の動きを見比べるのが難しい
上記の③の事情も作用してきますが、スマートフォンやパソコンなどの小さな画面でオンラインレッスンを行う場合、スタジオなどで対面で確認するよりもどうしても情報量が少なくなってしまいます。いろんな向きからのチェックがしづらかったり、説明が伝わりづらかったりする場合があるからです。
ですのでオンラインの場合は、説明する側が生徒にうまく伝わっているかをいつにも増してよく確認したり、受ける側も効率よく振付などを学べるよう質問を的確にしたりするなど、調整をすればお互いに満足したレッスンの時間にできるのではないでしょうか。
●あとがき
いかがでしたでしょうか。何事にもメリット・デメリットなどあるものですが、よりよく使えるよう発想ややり方を変えたりして有意義に活用できる方法を模索していくのもいいのではないでしょうか。まだまだコロナが不安であったり、オンラインの方が都合のいい人もいたりすると思いますので、この記事を書くことでお役に立てれば何よりです。
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