SOUL DANCEとは一体なんなのか?
SOUL DANCEあれこれ①
主にストリートダンスにまつわるさまざまな事柄についてお話しさせていただいているこのコラムですが、今回から【SOUL DANCE】を筆者なりにみなさんに伝えていってみようと思います。なにせ60年程前に遡る内容になってきますので、もちろんリアルタイムで体験することはできていません。ですが独自に調べたり、当時をよく知る方に直接お話を聞いたりしたことから自分なりに精査した情報などを書き進めてみたいと思います。
●SOUL DANCEってどんなイメージですか?
ダンサーのみなさんに「ソウルダンスってどんなイメージですか?どんなダンスを知っていますか?」そう尋ねてまわったことはないのですが、おそらく大半の方は「昔のダンス」「渋い、オシャレ」「振付がなくて自由」「なにをやっているか、なにが正解かよくわからない」「ウォーターゲート、ジゴロ、スネーク…」と言ったような回答になるのではないかと想像します。いずれも間違いではないですが、本質を捉えられているかと言われると、また別の話になってきてしまうかなと思います。
では一言でどんなダンスなのか教えてほしい、と言われると難しいものがありますが、なるべく簡潔に述べてみますと【黒人のフィーリングやグルーヴが元になって発展したパーティーダンスであり、ヒップホップの原点】と言えるのではないでしょうか。
なぜそう言えるのか、順を追ってご説明していきます。
●SOUL DANCEとは一体なんなのか
「ソウルダンス」という呼び方は、おそらく日本人が独自にカテゴライズしたものだと思われます。アメリカ人の間ではいわゆるソウルダンスのことを【PARTY GROOVE(パーティーグルーヴ)】と言い表すことが多いようです。ではその「パーティーグルーヴ」とはなんなのか、筆者なりに直訳してみると【みんなで騒げるノリ】と言ったところでしょうか。つまり、ある一定の振付のダンスではなく、その時代に流行ったビートやリズム、ノリに合わせて踊っているうちに、形や名前が定まっていったような流れだと想像できます。
それゆえに「この動きはこうでなければならない」といった目安のようなものが定まっておらず、踊り手によって変化したりアレンジしたりするのも醍醐味の一つだと言えるのではないでしょうか。その中でもある程度の形や流れ、リズムの感じ方や体の使い方などが共有されていき、今も生きたダンスとして伝承されているのだと感じます。
ここまで説明しても、ソウルダンスとはなんなのか、やはり一言では形容しがたいものだなぁと改めて実感します。それを体現するかのようなダンス(ステップ・ムーブ)を1つ、今回は代表例として挙げてみます。
●WATER GATE(ウォーターゲート)
「その時代のダンス」とも呼ばれる動きが「ウォーターゲート」です。一般的には、アップのリズムをキープしながら、2カウントずつ左右に2ステップを踏み、行ったり来たりするようなシンプルなステップという認識だと思われます。そこに肩であったり、首であったり、体の高さの変化をつけたり、手でニュアンスを加えたり、おのおののセンスや楽曲に任せてアレンジを楽しむダンスです。
筆者もそのように習っておりました。とある大先輩のダンサーの方のレクチャーを受けた時の話です。改めてウォーターゲートを教えていただいたのですが、基本的な解釈は大きく違ってはいませんでした。しかし、一歩めから二歩めを踏む間に、アップのリズムはとっていませんでした。代わりに、上半身のシェイクを入れていたのです。
これは、その動きが必須だということではなく、一歩めのステップを踏み、もう一歩踏むまでの間に、じっくりと音を感じて踊ろう、という意識をつけるためのシェイクだと解釈しました。ダンス用語で言い換えれば、1はタメて2でビートを強調する為にアクセントをつける、ということになるのでしょう。
この「1拍めで間をとり、2拍めを強く感じる」という音楽との融合とも言えるダンスの仕方は「その時代のダンス」を代表し反映しているものなのだそうです。つまり「その時代の音楽に合わせた気持ちいいノリ方を形にしたダンス」なのだと言えるのではないでしょうか。「その時代」とは、1972〜74年頃に起きたニクソン大統領(当時)に関するアメリカの政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」が起きた頃を指します。なぜ、そのステップをウォーターゲートと呼ぶようになったのか…それはおそらく「ウォーターゲート事件があった頃に流行った音楽に合わせた、気持ちいいリズムの取り方をダンスという形にしてみんなで共有して楽しんでいた」ということなのだそうです。
1つのダンスにそういった音楽・時代背景などまで深く織り込まれていると知ると感慨深いものがありますね。どんどん知りたくなっていきますね。
また次回、皆さんに楽しんでいただけるような記事が書けるよう尽力したいと思います。
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