振付の魅せ方
振付の魅せ方〜前編〜
以前掲載させていただいた【振付の創り方】という記事はご覧になっていただけたでしょうか。今回はその内容から派生して、更に詳しくお伝えしてまいります。10年以上都内を中心にコレオグラフナンバーを創り続けている筆者ならではのこだわりについて書き連ねてみます。何か作品作りの参考になれば何よりです。
●振付を創る時の順番
皆さんはダンスの振付をする時はどのように進めていきますか?また、どのように作っていくと思いますか?いろいろなパターンの答えが想像できます。「作りたいところから作っていく」「先に全体のイメージを作ってから振りを作り始める」「事前に作らず、その場で閃いたものを形にしていく」「曲の最初の方から順番に作っていく」「見せ場となる部分から先に作り、組み立ていく」ざっと挙げただけでもこのように多様な作り方が思い浮かびます。
特に正解や不正解、こうでなければダメなどというものはありませんが、自分なりに効率よく進められるやり方や、こうやったら思い通りの作品に近づいたという方法論は持っているに越したことはないのではないでしょうか。
筆者もその時々の状況に合わせて適切な方法で進めていきます。忙しい時はとにかく作れるところから作る、急にスケジュールが詰まってしまい、その場で作るしかない、などといった展開は大いにあり得ます。ですが基本的にはこの方法が自分には合っている、というやり方を1つ確立しています。
●先に全体の構成やイメージを固めてから振りを作る
あくまでも筆者なりの必勝パターンですが【先に全体を決める】のが大事だと思っています。参考までにざっとその流れについてご紹介します。
①草案をイメージする
最初はこうやって始まってこう繋げていこう。全員で踊るユニゾンはここ、その前後は変化が欲しいからパート分けや構成を駆使する。ソロはここで欲しい、アクロバットやフロアは後半に入れてインパクトを。見せ場は若干難しめの振りでしっかりと。最後はシンプルで大きく元気に踊れる振付でバシッと決める。
こういったイメージです。ざっとしたものでもいいので、紙に流れや見せ場にしたいポイントなどを書いて整理すると実際に振付や構成を考えていく時の自分なりの手引書になります。
このように作品のおおまかな設計図を考えて、そこからディテールを埋めていきます。
②原案を固める
最初の立ち位置はこの形がいい。見せ場やパート分けはこういう位置やフォーメーションにしよう。最後は横一列になりたいからとっておいて…。ユニゾンが多いからここはシンメトリー(左右対称)やカノン(時間差)などで視覚効果を使おう。見せ場は手振りが多いから、その前後はアイソレーションやステップ系など違う要素を入れよう。ここは移動の構成にしたいから移動しやすい振りにしよう。
このように、より具体的な振付を作るために細かく流れを決めていきます。先に振付を作ってから「やっぱりここはシンメにしよう」「ここは移動にしたいから振付変えます」といったようにどんどんと作品が様変わりしていくのは面白さもありますが、覚える方は二度手間だったり、前の振付がとっさにでてしまったり、教える方も余計な時間がかかり、効率的とは言えないのではないでしょうか。筆者自身もそういう経験が多くあるので、自分が作るのにも踊ってくれる人が苦がなく覚えられるようにするにも、先に大まかな動きを固めてから作るとイメージ通りに進みやすいです。
③使いたい振付や構成まで決めてしまう
人数や踊るメンバーが確定している状態から作り始める場合は、更にイメージを固めてから作り始めると早いです。その場合は見せ場から作っていくパターンが多いです。特に、最初の始まり方、中盤の山場の、最後の終わり方などはカッコよく決めやすいフォーメーションや振付を当てていきます。
最初は真ん中で始まる、中盤は固まって細かい手振りなどで迫力を出す、最後は横一列で前に行ってゲッダン、など基準となるような自分なりの「定番パターン」と言えるものを持っておくのも1つの強みと言えるのではないでしょうか。
振付に関しては、ロックダンスの場合は特にそうなのですが、先に作りたいところから作っていくと、後半の見せ場で映える動きの引き出しがなくなってしまうという凡ミスをおかしてしまいがちです。そうならないように、ざっと「ここでこの動きをしたいから、ここはこっちのステップで」と言うようにあらかじめ振り分けておくのも1つの成功論だと思います。
ロックダンスの振付は特に、テーマや流れ、見せたいものを意識して作って行った方が思い通りのショーケースになったり、見てる人も飽きずに最後まで楽しめるエンターテイメントになるのではないでしょうか。逆の発想で言いますと、シンプルなベーシックの動き(例えばスクービードゥやスキーターラビットなど)をいかにアレンジして踊るか、魅せるか、と言ったところもロックダンスならではの楽しみ方であると言えます。
次回へ続きます。
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