LOCKの秘密 "キャリーアップ"
LOCKの秘密 "キャリーアップ"
HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回は何やら怪しげな書き出しで初めてみたいと思います。「LOCKの秘密」などと題すると若干仰々しさも否めないのですが、筆者が若かりしころに感じていたロックダンスの不思議な魅力、それが解き明かされた大きなきっかけだったのでご紹介したいと思います。皆さんにとっても何かヒントやスパイスになれば幸いです。
●あの首の動きはなんだろう?
少し筆者の話をさせてください。私は2000年代初頭にダンスに出会いました。もちろんその頃はYouTubeなど手軽に世界中のダンスを見たり知れたり、SNSで情報や映像のシェアも出来ない時代ですから、情報源はもっぱら「テレビ番組で踊るアーティストやバックダンサー」「レンタルビデオショップにたまにあったらラッキーなレクチャービデオ」「学校などの先輩」「ダンスディライトマガジンなどのフリーペーパー」でした。同世代の方は共感いただけるのではないでしょうか。
初めてロックダンスを見たのはDA PUMPさんのパフォーマンスでした。ある楽曲の振付の中でLOCKを踊っていたのです。「男性がテレビで踊る」となるとジャニーズの皆さんがほとんどでした。そんな中、DA PUMPさんはストリートダンスを武器に鮮烈にデビューをし、着実にステップアップしていきました。楽曲ごとにLOCK、POP、HIPHOP、カポエィラなどを取り入れたさまざまなコレオグラフを披露しており、出演する音楽番組を録画し、何度も見返しながら真似しているうちに、知らず知らずのうちにたくさんのジャンルに触れることが出来ていました。同じように、その影響でストリートダンスを始めたという方は多いのではないでしょうか。
ちゃんと「ロック」という言葉を認識したのは、そのコンサートのビデオを観た時でした。公演の途中でバックダンサーの皆様(恥ずかしながら当時は存じ上げませんでしたが、今思うと超豪華メンバーだらけで素晴らしいです)の紹介を兼ねたソロパフォーマンスのコーナーがありました。その時にジャンルの名前も伝えてくれていたので「こういう感じのダンスをロックって言うんだ!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
それからレンタルビデオショップでアメリカの方(これも実は、何を隠そうTHE LOCKERSメンバーのGREG CAMPBELLOCK Jr.さんが出演されていました)のレクチャービデオをレンタルして真似してみたり、運良く入っていたスカイパーフェクTVのダンスチャンネルの映像を見て動きを盗んだり、音楽番組に出演するDA PUMPさんやPani Crewさんなどを大変参考にさせていただいたり、そんな青春の日々を過ごしていました。
そんなある日「ロック独特の首の動き、あれはなんなんだろう?」という思いに至りました。ロックを踊り始めた頃、また知り始めた頃、同じように思われた方も少なくないのではないでしょうか。やや猫背のような姿勢で首をぐいんぐいんと左右に振ったり、上体の引き上げにわずかに遅れるようにぐいっと上げたり…とても不思議な動きに見えてインパクトが残っています。
●その秘密は"キャリーアップ"
やがて上京し、とある専門学校に入学した筆者は、レッスンを受ける中で大先輩のダンサーさんからその答えを、ロック独特のあの首の動きの秘密を知ることが出来たのです。それが【CARRY UP(キャリーアップ】だったのです。
ストリートダンスにおける一般的な「アップ」という動きを説明してみますと、直立の状態からリラックスして体をかがめ、そこからスッと上方向に伸びるような動きで音楽に乗ることを指すと思います。「キャリーアップ」も同じように下から伸び上がるのですが、その過程に秘密があるのです。
かがんだ状態…つまりは背中(腰から首にかけて)が丸くなって前傾姿勢になっている形、そこから、徐々に背骨がまっすぐ立っていくように伸び上がっていきます。スッと上がる、というよりは、だららら〜と組み上がっていく、というような表現が近しいかもしれません。
そのキャリーアップの「時間差で上がってくる首のニュアンス」を教わった時に、ずっと不思議な印象を残していたあの首の動きだと合点がいったのです。それから数年後、名実ともに世界に誇る日本人ロッカー兄弟である「GOGO BROTHERS」さんのショーケースを、背面側から見る機会がありました。とても大盛況のイベントで、正面側から見ることができませんでしたが、それが【秘密】を知るいい機会になりました。パフォーマンス中の彼らの背中を見て驚愕したのでした。やっぱり彼らもキャリーアップを駆使しており、腰から首にかけての動きが洗練されていて、まるで別の生き物が背中に宿っているかのような躍動感、CGかのようなスムーズな動きを体現なさっていました。
そうしてこのキャリーアップこそが、LOCKならではのファンキーなグルーヴを具現化しているものだと確信したのでした。LOCKIN'が好きな方には特に、そこに着目してダンスを見たり練習したりして欲しいなと思っています。
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