ダンスイベントとダンサー
ダンスイベントとダンサー 〜前編〜
HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回はタイトルの通り、ダンスイベントに関する話題となっています。「学校やスタジオでダンスを習ったり、独学で続けてきたけど、どこかで発表してみたい!」「ダンサーとして活動していきたいけど、どうやったらいろんな人に見てもらえるのかわからない…」「ダンスの現場でいろんなダンスやダンサーさんと触れ合って刺激に繋げたい!」といったような方々のために、何か参考になる記事になればと思います。そのために今回は、クラブやホールなどで開催されるダンスイベントに参加する際のダンサーの立場や心構えについてお話ししてまいりたいと思います。
その前に簡単に筆者の経歴をご説明させてください。高校を卒業後、都内のダンスの専門学校やアメリカでさまざまなダンスを学び、チームを組んでダンスイベントに出演しながらコンテストやバトルで優勝など実績を積んできました。そのうちにピックアップダンサー(またはセレクトダンサー)という枠に抜擢され、やがてゲストダンサーとしてお仕事をいただけるようになりました。
そういったことを体感していく中で感じたことや学んだことをお伝えすることで、何かしらみなさんのお役に立てれば幸いです。よろしければぜひ最後までお付き合いください。
●イベントで踊ろう!
この記事を書いている現在もコロナ禍真っ只中であり、ようやくいろいろな制限が解除されつつある…という時期ではありますので、声を大にしてたくさんの人が集まる密室への誘導は出来ません。しかしながら、イベント主催者の方々もいろいろと工夫や対策をされながら、安全を考慮して出来る範囲での開催をしているイベントもあります。そういったことを踏まえつつ「安心して参加できる」となった暁にはやはり、ダンスを人前で見てもらえる機会があるなら積極的に参加すべきだと思うのです。
一人で踊ったり、その動画をSNSで投稿したり、少人数でスタジオで練習したりするのもいいと思いますが、やはりダンスを好きな人が集まる空間で、大きな音量で、いろんなダンサーの目線やショーが刺激になる場所で、自分たちの好きなダンスやショーを披露することがまた一歩成長へと繋がるのではないでしょうか。一生懸命考えた振付がうまくいったりいかなかったり、練習では出なかったパッションやミスが生まれたり、思いもよらぬいい評価やアドバイスがもらえたり、現場でなくては得られないものがたくさんあります。そういった中でかけがえのない仲間に出会うこともありますし、先輩ダンサーさんやオーガナイザーの方に声をかけてもらったり、仕事をいただけるチャンスもあるかもしれません。
「まだ自信がないからいきなりイベントはちょっと…」と尻込みしてしまう人もいるかもしれません。最初は誰でもそうでしょう。その場合は誰かのダンスナンバーに混じって出演させていただいたり、大人数のチームで参加してみるなど、緊張が少しでも和らぐような条件で参加してみるのもいいかもしれません。「自信がない」と言っていても、何もしないままでその自信は勝手にやってくるのでしょうか?一度思い切って飛び込んでチャレンジしてみましょう!やってみたら意外と楽しめたりするものではないでしょうか。
●ピックアップダンサー(セレクトダンサー)
そうして一度、ないし何度か同じイベントなどに出演していくうちに、周りのダンサーさんやオーガナイザーさんにその存在や頑張りを認めてもらったり、集客力や実力が人並み以上であるとなった場合には「ピックアップダンサー」または「セレクトダンサー」という枠で出演させていただけるようになります。これは関東のイベントならではの風習かもしれませんし、イベントやご時世によっても変わるので一概には言えませんが、最初は「チケットノルマ」と呼ばれるイベントへの協力費のようなものを求められて参加する場合が多く、ピックアップになるとそれが減額されたり免除されたり、イベントによってはチケットバックが付与されることもあります。
チケットバックとは「チケットを一枚売るごとに○○円をギャランティーとして渡しますよ」という制度です(筆者もはじめの頃は、ダンスを踊ることで収入を得られる数少ない貴重なチャンスと捉えていました)。チケットバックを支払ってでもピックアップダンサーとして参加してもらいたいというのは出演側としては嬉しいことですし、オーガナイズ側としても期待や応援の気持ちの現れであると言えます。その気持ちに応えられるようなパフォーマンスや集客が出来るとダンサーとしてのステータスや信頼度が上がっていくのではないでしょうか。
次回へ続きます
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