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COLUMN

ダンスをやめるという感覚

公開日:2022年09月16日(金)

ダンスをやめるという感覚

 

長くダンスを教える立場であったり、ダンスに携わる仕事をさせていただいている中でたびたび聞かれる言葉があります。その一つに「ダンスをやめる」という言葉があります。もちろん個々人の事情や家庭の都合もありますので、軽率に「やめないでほしい」とは言うつもりはありません。しかし率直に言わせていただくならば、それはとても悲しい考えであり、日本人の文化においては仕方のない発想なのかと思うとまた寂しい気持ちになります。

HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回はこの「ダンスをやめる」という発言や考え方について筆者なりの考えを述べさせていただきたいと存じます。


●ダンスを習う、という感覚
「ダンスをやめる」という発想に至るということはどこかで「ダンスをやり始める」というタイミングが発生しているわけで、その始めたものに終止符を打つという考えや状況は、もちろん間違いなどではありませんし、それ自体を否定しようとは思っていません。

しかし「ダンスをやり始める」人の多くは「習い事としてのダンスをやり始める」のでしょうか。ここは個々人によって事情や心情が異なるところが多分にあるのでしょう。習い事を始める時には、自分で興味を持ったり、家族に勧められたり、友達が先にやっていたり、いろいろな影響やきっかけがあると思います。はじめてみたものの、なんらかの理由ですぐに辞めてしまったり、ある程度続けてみたけれどさまざま理由で辞めてしまうことは仕方がありませんし、よくある事だと思います。そういった人もいれば反対に、続けていくうちに本気度が増し、高いレベルの技術や結果を求めたり、プロとしての活動を目指したり、専門学校などに進路を定めたりする人など、進む道は人それぞれです。

いずれにせよ「ダンスを習っている」という感覚でいるうちは、受動的なスタンスでそれと向き合っている状態であるとも言えますから、さまざまな理由やキッカケでそれを「やめたい」「やめなければならない」という状態に陥ってしまうことは、残念ながら多からずあり得ます。

そうではなく、ダンスに能動的に取り組み、習いにいく時間以外に自主的に練習やイメージトレーニングを重ねて技術の向上に努めたり、自分なりの表現や振付を生み出したりしていくうちに、自分の生活や性格などがダンスそのものに反映されるような感覚を持てるようになります。それはもはや「ダンスを習い始めた」という時の感覚とは一線を画す状態なのではないでしょうか。その域に達した時「ダンスをやめる」という発想にすら至らないと筆者は考えます。たとえ長らく休むことはあっても、2度とダンスをしないという人は少ないのではないでしょうか。

そのような、一見プロやマニアックなダンサーじゃないと持ち合わせないような感覚の話とはまた別に、逆にダンスを習ったり本格思考でない人にもその感覚は持ち得るのではないでしょうか。なぜなら、そもそも「ダンスを始めた」という認識があまりないからです。クラスのみんながやるから一緒に軽く踊ってみる、盆踊りや文化祭などでわいわいと踊る、コンサートなどで簡単な振り付けを合わせて楽しむ…などなどちょっとしたことでもダンスに触れる機会はありますし、気軽に出来るのです。


●ダンスは「やめる・やめない」というものじゃない
結論を申し上げてしまいますと、ダンス、つまり踊るということは、やめるとかやめないという次元のものではないのではないでしょうか。あくまで筆者の考えではありますが、ダンス(踊ること)というのは、なにもダンススタジオに毎週のように通ってレッスンを受けたり、ダンスチームを結成してコンテストに出場したり、そういった活動をすることだけが当てはまるわけではないと思います。ましてや優勝や世界進出など結果を出さなければ意味がないというものでもないでしょうし、誤解を恐れず言ってしまえば上達をしていく必要すらないのではないでしょうか。

体が動けばそれだけでダンスと言えますし、専門的な技術がなくとも音楽にのればそれもまたダンス。1人でも、指先やつま先、首をちょっと動かすだけでもダンスは楽しめます。手拍子や簡単なステップをしたり、ジャンプのタイミングを音楽に合わせたりタオルを振り回したり、難しい振付がなくてもダンスは楽しめるものですよね。

そもそもダンスは原始的なもので、その歴史は古く、ルーツはなんと石器時代などに遡るとも言われています。アメリカでストリートダンスが生まれたのは1970年代付近ですので、50年ほどの歴史ですが、タップダンスなら18世紀、バレエなら15世紀とさらに長い歴史があります。そうして長い間、いろいろな形で、いろいろな音楽で、ファッションで、ステージで、さまざまな人たちがダンスを楽しんできたのです。

残念ながら日本ではまだ、幼少期からダンスが自然にあるという認識には至っていないのかもしれません。ただ、幼稚園などでのお遊戯がそれにあたると思いますし、小学生からは授業でダンスを学ぶようにもなってきていますから、踊ることがだんだんと当たり前になっていくのかもしれません。


●あとがき
ダンスの楽しみ方は人それぞれですが、やめたりするものではなく、生きていく上で自然と楽しめるものの一つであればいいなと願っています。絶対にやめるな、やめるなんて変!とまでは言いませんが、いくつになってもダンスをしていけたらいいですね。

 

 

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