ダンスイベントをやってみよう!
ダンスイベントをやってみよう!
みなさんはダンスイベントを主催した事がありますか?このコラムをお読みくださっている方の多くは、おそらくその経験がおありではないのではないでしょうか。ダンスイベントに参加して踊ったり、友人や知り合いが出演するのを見に行ったり、ナンバーやチームを作ってみたり、そういった人はとても多いと思います。その規模によってさまざまですが、一回のイベントでおおよそ100〜500人ほどの人数がそういった形でダンスイベントに関わってらっしゃるように見受けられます。
それに対してイベントの主催者(オーガナイザー)は1人、または複数人であったりする場合もありますが、圧倒的に数は少ないですね。どうしてなのでしょうか。もちろん、近隣の地域で短期間に何人もオーガナイザーがいてたくさんのイベントを開催しても、集客や出演者がバラけてしまうだけで意味がありません。会場や日程なども限られてくるからです。そういった要因も少なからず影響してくるのでしょう。今回は少しマニアックな内容になりそうですが、あえて触れる人も少ないであろう【ダンスイベントを主催するには】というテーマでお話してまいりたいと思います。
●ダンスイベントは、仕事である
まずは、ダンスイベントというのは実際どのような仕組みで企画・運営されているのでしょうか。そこをある程度知っているか知っていないかで動き方や結果が変わってくるでしょう。筆者も何度かイベントを主催したり手伝ったりしてきた経験があります。あくまでもその経験の中からのお話になってしまいますが、何か参考になれば幸いです。
基本的にダンスイベントは慈善事業ではありません。やはり、ダンサーの生き残る1つの道筋、つまりは利益を得るための「仕事」であるという認識が必要となります。ダンスイベントに出演しているだけでは「その日だけ参加する」「お金を払って踊らせてもらう」「楽しいイベントだといいな」と、どうしても自分中心の考え方や短絡的な価値観しか持てないのも自然なことと思います。ですが一転して、仕事としてイベントに携わるとなるとさまざまなことが変わってきます。
一番はやはり「収支を考えること」でしょう。それはつまり、主催者側の生活に大きく関わってきます。黒字であれば頑張って準備したり続ける価値がありますが、赤字であれば、やらない方がいいと考えられます。「大事なのはお金じゃない、楽しい空間や有意義な時間になればそれでいい」という場合もありますが、せっかく自分の好きなダンスのイベントをやるなら、赤字よりは黒字の方がいいに決まっています。より具体的に考えてみましょう。
●必要な支出を考えよう
ダンスイベントを主催するには、まずどのくらいの規模で、どんな内容でやるかを決めなければなりません。そして、どれくらいの利益を望んでいるか、どうすればその目標を達成できるのか。そこまでイメージして組み立てていけると動きやすいと思いますし、逆にそのイメージがないままはじめてしまうのはなかなかリスクが高いと言えます。
例えばバトルイベントを主催したいとします。内容は1人対1人、ジャンルはHIPHOP(LOCKでもPOPでも、なんでもいいです)。この場合、どういった支出が必要でしょうか。ざっと挙げてみます。
①会場費(照明さんの人件費や照明自体、別途でかかる場合もあります)
②ジャッジ(審査員)へのギャランティ
③MC(司会)やDJへのギャランティ
④賞金
⑤スタッフへの謝礼
⑥その他備品などの経費
※ カメラマンさんやドリンク補償などが必要になる場合もあります。
だいたいこういったものが必要になるかと思います。想定されていた方もいらっしゃれば、言われてみて納得された方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろんイベントを主催するのですから、スポンサーなどがいない場合は基本的には全て、オーガナイザーが自費で負担しなければいけません。
仮に、一日会場を借りて10万円、ジャッジは3人呼びたいので3人×1万円、MCとDJで合わせて2〜3万円、賞金は優勝のみで1万円、当日受付を手伝ってくれる人に謝礼として5000円、その他経費で5000円…こういった形だとしても17〜8万円ほどの計算になります。もちろん、もっと安い会場を契約できたり、ジャッジやMCなどを知り合いの人に頼むことで少し金額をおさえさせてもらったり、逆にキャリアのしっかりした方に依頼したり、賞金をもっと高くして注目度を上げたり…いろいろな増減や調整はイベントごとにありますので、あくまでも一例として捉えていただければと思います。
もしこれが、ナンバーなどのショーケースだけのイベントであれば②や④は必要なくなりますが、逆に会場を広くすることになり①や⑤・⑥などの費用がかさむことになります。
どの場合もざっと、15〜20万円かかるイベントを手掛けるとなった場合、赤字にならないようにするにはいろいろと考えなければなりませんよね。ではどういったことを念頭に置いて準備を進めればよいのでしょうか。次回の記事へつづきます。
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