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COLUMN

世界の常識をBREAKさせるダンス

公開日:2022年10月18日(火)

世界の常識をBREAKさせるダンス

 

ストリートダンスのあれこれについて日々書き綴っているこのコラムですが、今回は【 HIP HOPって何? 】【 HIP HOPの5大要素】という記事の続きの内容になります。よろしければそちらも併せてお読みいただけますと幸いです。前回までは、HIP HOPというカルチャーにおいて大事にすべき5大要素のうちの2つ、DJINGとMCINGについて解説させていただきました。今回は、残る要素についてお話ししていきたいと思います。まずは5大要素についておさらいしておきましょう。


●HIP HOPの5大要素(5th elements)
AFRIKA BAMBAATAA(アフリカ・バンバータ)氏が率いる組織「ZULU NATION(ズールーネイション)」はHIP HOPを形成する大事な「4大要素」を提唱しました。

・DJING
・MCING
・B-BOYING
・GRAFITI

これらに加え、近年では「KNOWLEDGE(知識)」を含めた【5大要素】として掲げ、世界中でHIP HOPカルチャーの普及に貢献しています。今回はそれらの内容について引き続き掘り下げてまいります。


●B-BOYING(ビーボーイング/BREAKIN')
誤解を恐れず申し上げますと「HIP HOPのダンス」といえば当時は「B-BOYING」であったはずです。なぜならば、HIP HOPというカルチャーが出来つつあった1970年代後半、その文化の中心であった音楽はDJ KOOL HERC(クールハーク)らが生み出した、2台のターンテーブルを駆使してFUNKなどの楽曲のブレイク(間奏)パートを長く繋げてダンサーたちを盛り上げた「BREAK BEATS(ブレイクビーツ)」であり、その音楽でもっとも楽しまれていたのが「B-BOYING」であるからです。※ BREAK BEATSの生まれた背景などについては、よろしければ前回の記事をご参照ください。

ちなみに「B-BOY(ビーボーイ)」という名称については諸説あり「BREAK BEATSでダンスを楽しむ人」という意味で名付けられたのではという説が一般的です。また「縦ノリを楽しむ動き」を意味する「BOYOING(ボイヨイング)」という言葉がいつしか変化して「B-BOYING」になっていった、という説もあります。どちらもありそうですね。そのB-BOYという言葉が一人歩きし、オーバーサイズのパーカーやジャージのセットアップ、キャップにスニーカーなどのストリート系のファッションを楽しむ人をB-BOYやB-GIRLと呼んだり「B系」とも言われるようになり、一つのカテゴリーとして認知されるようになりました。こうしたことからもHIP HOPはカルチャーであると言えるのではないでしょうか。

 

・B-BOYING=BREAK DANCE?
床に手をついて華麗な足技や背中をついた状態からのトリック、体操やサーカスのようなアクロバティックで派手な動き、それらを凄まじい速さとクオリティで繰り出したかと思えば逆立ちを変形させたような形で一瞬止まる…そういったダンスを日本では「ブレイクダンス」または「ブレイキン」と呼ばれることも多いですね。では、B-BOYINGとブレイクダンスは同じなのでしょうか?

「広い意味では同じだが厳密には違う」というダンサーが多いのではないでしょうか。ブレイクダンスという名称は、メディアによって広められた言葉であるという認識が強いからです。1980年代に入ると、HIP HOPカルチャーを全面に押し出したアメリカ映画が次々と発表されます。WILD STYLE、BEAT STREET、そしてBREAKIN'もその一つです。その中で、B-BOYINGはもちろんですが、1970年代からアメリカで流行していたLOCKIN'やPOPPIN'も踊られる映像があります。それが全米のみならず日本や世界各地で放映されることとなり、瞬く間に全世界でブームとなるわけです。そして日本では「ブレイクダンス」というタイトルでこの映画が広まったので「こういうダンス、全部をひっくるめてブレイクダンスと言うんだ!」という共通認識が生まれてしまったのではないでしょうか。実際20年を超える老舗のブレイキンバトルの歴史の中でも、過去の映像ほどロックやポップのムーブやルーティーンが多く見られる印象があります。

つまり、B-BOYINGをBREAK DANCEとも言うが、BREAK DANCEを「LOCKやPOPも含めたものと考えている人もいる(いた)」ということです。

 

・HIP HOP DANCE
「HIPHOPのダンス」がB-BOYINGを指す言葉から、いわゆる今の立ち踊りを指すようになっていったのはどうしてでしょうか?これもメディアの影響だと言われています。ブレイクビーツのトラックにRAPを乗せる曲が増え、それらをくくってチャートを作る時に音楽の1ジャンルとして「HIP HOP」と名付けられ、認知されていくことになったようです。それだけそういった音楽が人気になったということでしょう。そしてその「HIP HOP MUSIC」に合わせて踊るダンサーが「HIP HOP DANCER」と呼ばれるようになっていき「HIP HOP」は日本で一番踊られている人口の多いストリートダンスの1ジャンルの名称として認識されていったようです。


●あとがき
ブロックパーティーや映画をキッカケに広まり、地域や時代を超えて楽しまれ、形成されていったブレイクダンス。それは今ではオリンピックの競技となるまで世界に浸透しています。その歴史にはまだまだ興味深いものがあります。また別の機会にお話しできればと思います。

 

 

世界の常識をBREAKさせるダンス・CMやテレビのダンス振付とダンサーキャスティング専門会社ゼロクリエーションのダンスコラム!

 

 

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