ダンサー必見!映画3選〜後編〜
ダンサー必見!映画3選〜後編〜
ストリートダンスのあれこれについて日々書き綴っているこのコラムですが、今回は【 ダンサー必見!映画3選〜前編〜 】という記事の続きの内容になります。よろしければそちらも併せてお読みいただけますと幸いです。
前回は「 YOU GOT SERVED(ユーガットサーブド) 」という作品についてお話しいたしました。
文頭から余談となってしまいますが、筆者がその作品を初めて観賞したのはなんと飛行機の中、つまり上空でした。当時ダンスの専門学校に通っていたのですが、短期留学ということで同期のみんなとアメリカのニューヨークに行っていたのです。そこでも本場のブロードウェイミュージカルやストリートパフォーマンス、そしてオリジネイターによるダンスレッスンなど刺激の毎日でしたが、その帰りの飛行機で「 YOU GOT SERVED 」が放映されたのです。慣れない土地での1週間の滞在に心身共に疲労もあったのですが、作品冒頭のダンスシーンから一気に惹き込まれ、わかりやすいストーリーにアメリカならではの問題などが絡まりながら、随所に見られるダンスパフォーマンスのテクニックや振付の、クオリティとクリエイティビティに終始テンションが上がりっぱなしでした。YouTubeなどもあまり普及していない時代でしたから、なおさら強い刺激となりました。そのおかげで、級友が座席で眠りにつく中、一人で4回連続視聴してしまった程です。
というわけで、筆者がオススメのダンス映画一本めである「 YOU GOT SERVED 」はそれほどにインパクトがあり、見ていただきたい作品であるということが伝われば嬉しい限りです。さて、この記事では残りの2作品についてご紹介してまいりたいと思います。
②BREAKIN'(ブレイキン)
筆者が初めてこの映画(正確には、そのパロディ)に触れたのは某国民的アイドルグループがメインキャストを務めるバラエティー番組でのことでした。「BREAKIN'(邦題はブレイクダンス)」の主人公のように黒人風のメイクを施し衣装を真似し、原作の映画さながらにブレイクダンスでバトルをするというコーナーでした。大人気の歌って踊れる男性グループですが、ストリートダンスのイメージはあまり色濃くなく、あえてそのギャップを狙ったコーナーだったのかもしれません。入口はなんであれ、そこで興味を持ったことで元の映画を見るキッカケに繋がったのは、筆者だけではないのではないでしょうか。
肝心の「BREAKIN'」という映画の概要ですが、生粋のジャズダンサーの女性が、型破りかつスキルフルなブレイクダンスを誇りにしている男性ダンサーと仲間になり、葛藤やジャンルの壁などを越えて渾身のバトルをすることで生きる歓びを得る。そんな青春映画であると共に、プロダンサー達の惜しみないLOCKやPOP、そしてBREAKの技の数々やパッションに胸躍らされること請け合いです。
この作品がアメリカで公開されたのは1984年。当時、アメリカで流行しているダンスやカルチャーを初めてこの映画で目の当たりにした日本や世界の人々の衝撃は想像に難くありません。原宿の歩行者天国(いわゆる"ほこ天")などでブレイクダンスを練習する若者が増え、日本でも広まったのは間違いなくこういった作品の影響であると言えます。それほどに影響力のある一作ですので、ぜひご視聴ください。
③WATTSTAX(ワッツタックス)
本編の主軸となるのは主にSOUL MUSICのアーティストのライブ映像です。しかし、それだけでない魅力や重要な要素を含むため「歴史的重要文化財」と呼んでも過言ではないほど貴重な史料映像となっています。実際のライブ映像の合間に、当時の住民の方へのインタビューなどが挟み込まれており、はじめはどういった内容か理解しがたい部分もあったのですが、その頃のアメリカの情勢や、それまでのアフリカンアメリカン(15世紀、主に南アフリカからアメリカへ連れて来られ奴隷として不当な扱いを受けてきた黒人たちとその子孫)の歴史などを踏まえてそれらを見ると、改めて重い実情などを感じとることができます。我々日本人の「当たり前」の生活や習慣とは全く異なる価値観や生き方などを強いられる人々の苦悩や不満、希望を渇望する声などが生々しく残されています。
作品のタイトルになっている【WATTSTAX】とは何かご存じでしょうか。
それはアメリカの地区の名前である「ワッツ」とレコード会社である「スタックス」を融合させた造語であり、作中の映像にある大規模ライブの名称にあたるわけなのですが、その由来について解説するには、それが開催されるきっかけとなったある起きた事件について説明する必要があります。これについてはまた別途詳しく記事を出したいと思います。
この映画では、1972年当時の黒人の暮らしや、実力派アーティストの圧巻のライブパフォーマンスを観られる他、若き日のTHE LOCKERSのメンバーのダンスシーンが一瞬見られるのもオススメポイントです。黒人の音楽や文化に興味がおありの方、特にLOCK DANCERにとっては必見のお宝映像であることは言うまでもありません。
●最後に
長々と前編・後編とお話しして参りましたが、お時間があればぜひご視聴いただければ幸いです。他にも沢山のダンス映画は存在するので、これを機に、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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