革命のWATTSTAX
革命のWATTSTAX
当コラムをお読みくださりありがとうございます。
突然ですが、みなさんは【 WATTSTAX(ワッツタックス) 】という言葉をご存じでしょうか。それは、以前掲載させていただきました【 ダンサー必見!映画3選〜後編〜 】という記事の中でご紹介させていただいた映画のタイトルの1つでもあります。
ストリートダンスのあれこれについて日々書き綴っているこのコラムですが、今回はこのWATTSTAXについて筆者なりに詳しく解説していきたいと思います。お読みくださるみなさんにとって、何か閃きのきっかけとなったり、振付などの創作の一助になれば嬉しい限りです。
●「WATTSTAX」って何?
まずは今回の記事のメインテーマである「ワッツタックス」とは何か、というところからお話ししていきましょう。それはアメリカのある地区の名前である「ワッツ」とレコード会社である「スタックス」を融合させて生まれた造語であり、1972年にアメリカで行われた、黒人による黒人のための大規模ライブの名称にあたります。その経緯について解説するには、それが開催されるきっかけとなったある事件について説明する必要があります。
●ワッツの暴動
それは1965年8月にアメリカで起こりました。酒気帯び運転の容疑で若い黒人が逮捕されたのをきっかけに、日頃から横暴で理不尽な対応であった警官たちに対し、黒人住民が反発し大きな暴動となってしまったのです。その中心的な地区こそ、ロスアンジェルスのゲットー(移民系密集居住地区)である「ワッツ」という街だったのです。市民によるその暴動は1週間に及んで激化し、ようやく鎮静化した頃には、死者を含む犠牲者は900人を越え、4000人以上の黒人が逮捕されてしまうという結果にまで至ってしまったそうです。
かの有名なマーティン・ルーサー・キング牧師の先導により約10年間行われた【公民権運動】にようやく光明が射し、300年もの間奴隷として辛い労働や生活を強いられてきた黒人たちに、ようやく公民権が認められたのが1964年ですから、ワッツの暴動はその翌年です。その要因は、法律でその人権が認められたにもかかわらず、雇用や生活などに対する差別が一向に変わらなかったことが大きく作用したようです。
●ワッツタックスの開催
多くの犠牲を伴った暴動から6年の月日が経つ頃には、時代は徐々に黒人へ追い風となり、黒人の生み出す音楽やダンス・アートなどが世間一般に認められ、エンターテイメントとして昇華していきました。北部の重工業地域シカゴで放送が始まったテレビ番組【 SOUL TRAIN(ソウルトレイン) 】もそのムーヴメントを巻き起こす火付け役となりました。発起人であり番組の司会者も務めるドン・コーネリアス氏の指針である「黒人による黒人が輝くための番組を作りたい」といったコンセプトにより、出演するアーティストやダンサーはもちろん、エキストラとして参加する人やスタッフ、そして協賛のコマーシャルまでもが全て黒人で彩られました。それにより、黒人のSOULのこもったクリエイティブな楽曲やパフォーマンスの数々がアメリカを、そして世界を魅了していったのです。奴隷からスターへ、一部の黒人たちは地位や名声を手に入れることができました。
しかし、1972年になってもワッツを含むゲットーなどに住む黒人たちの生活や雇用形態の様相に大した変化は起こりませんでした。その状況を打開すべく、また悲しい暴動が起きないよう立ち上がったのが、多くの黒人アーティストを生み出した【STAX RECORDS(スタックスレコード)】だったのです。
1972年8月20日、アメリカ西海岸のロスアンジェルスのメモリアル・コロシアムに10万人の黒人観衆がつめかけました。午後15時から7時間に渡って行われたそのライブは、貧困層でも誰でも観られるよう入場料は1ドルにおさえられ、スターと呼ばれるアーティストたちにもギャランティは無料で出演を要請しながらも、暴動や混乱が起きることがないばかりか、誰もが感動と未来への希望を感じるような素晴らしいライブとなりました。さらにその入場料や、映画化された際の売上もワッツ・コミュニティという団体に寄付されたということです。そのことからも、どれだけ黒人に対して愛をもって開催された革命的一大イベントであったか、その映像作品が歴史的文化財と言っても過言ではないものであるということが窺い知れるのではないでしょうか。
●映像で観よう、聴こう、知ろう、WATTSTAX
前述したように、このWATTSTAXは映画化されており、DVDなどを購入して観ることができます。本編の主軸となるSOUL MUSICのアーティストのライブ映像の合間に、当時の住民の方へのインタビューなどが挟み込まれており、貴重な史料映像にもなっています。その頃のアメリカの情勢や、それまでのアフリカンアメリカンの歴史を踏まえると、改めて重い実情などを感じとることができます。人々の苦悩や不満、希望を渇望する声などがリアルに刻み込まれています。興味を持たれた方がいましたら、ぜひご視聴なさってください。
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