2000年〜2010年代のダンサーの姿
2000年〜2010年代のダンサーの姿/令和のダンサーのサバイバル術とは 〜後編〜
HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回は【 令和のダンサーのサバイバル術とは 〜 前編 〜 】という記事の続きの内容になります。よろしければそちらも併せてお読みいただけますと幸いです。まずは前回の概要についてお話しさせていただきます。
●発端
筆者に長年師事してくれている生徒が高校生となり、その進路相談をされたことから話は始まります。ダンサーとして本気で活躍したいのか、趣味の範囲で続けていきたいのか、どんな選択肢があるのかを説明する中で、プロダンサーである筆者の目線から伝えられることを整理してみました。そこで、現代における「ダンサーになる為の壁」というものについて考えて行く、その前に、筆者の時代やそれより前の時代のそれについて整理する必要があるなと感じたのです。そうしていく中で、令和を生き抜くダンサーのヒントが見つかればと思います。
●2000年〜2010年代のダンサーの姿
筆者がダンサーとして活動をし始めた時期の話です。専門学校に在学中であったり、その前後に見聞きした事柄を中心にまとめていきます。2000〜2010年頃は、下記の項目に該当する活動をするダンサーがほとんどだったと言えるのではないでしょうか。
①ダンスコンテストで優勝など功績を残すこと
②アーティストさんのライブやテレビ出演時のバックダンサー
③ダンス番組にチームでの単発出演
④バトルで名声をあげる
⑤スタジオや専門学校などでのインストラクター
世界最高峰のストリートダンスコンテストと呼んでも過言ではない実績とレベルを誇る、大阪のADHIPさん主催の【 JAPAN DANCE DELIGHT 】この栄光の舞台に立ち、優勝を目指すことがダンサーとしての生きがいやステータスである、というマインドを持ったダンサーはとても多かったと感じています。今に比べたらとてつもなく情報が少ない時代であった当時、高校生であった筆者ももちろん、その夢の大舞台を目指して振付の研究やテクニックを磨く鍛錬を重ねる日々でした。
専門学校を卒業してからの5年間はひたすらそれに向けた練習や、ダンスイベントや小規模のダンスコンテストで経験を積んだりと、チームメイトと共に活動し、ついにその決勝の舞台へ立つ切符を掴むことができました。あの時の興奮や感動は、10年経った今でも忘れることはできません。そんな筆者のように、何物にも代え難い嬉しさや、人生がひっくり返りそうなくらいの悔しさを数多く経験したダンサーはとても多いのではないでしょうか。
そういったダンス業界にいる人たちしか知り得ないアンダーグラウンドでの活躍の場に情熱を燃やすダンサーが多い一方、テレビやコンサートなど、ダンスをしていない一般の方の目に留まるステージでダンスを生業にするダンサー達もいました。そういったダンサーは本当に一握りだったと思います。なにしろ、今のようにアーティストやアイドルが踊るダンスにHIPHOPなどの要素が取り入れられるようになったのはTRFやDA PUMPの登場から数年経ってからのことになります。「ストリートダンスなんて不良がやるもの!ダンスならバレエやジャズ」といった世間のイメージが定着しすぎていたのです。
スーパーチャンプルやDANCE@TVといったダンサーがダンサーのまま活躍できるテレビ番組が流行ったり、三浦大知や嵐、EXILEなどの活躍でストリートダンスがメジャーなもの、カッコいい習い事、職業として目指したいものとして昇華されていったのだと考えることができます。
2010年頃の出来事として特筆すべきは【ダンスバトルの流行】でしょう。それまではダンサーの個人名や個性を知らしめるより先に、チームでコンテストで功績を残したり、その審査員を務める仕事、もしくはインストラクターであったりイベントのオーガナイザー、団体の主催など…そういった「ダンスそのものによる評価」とはまた違ったところから知ってもらう必要があったのですが、バトルはそうではないのです。まさに、個人名と個性を知らしめるにはもってこいのコンテンツですよね。
個人戦である場合、勝てなかった時のプレッシャーも大きいですが、何十人、あるいは100人以上、そして多国籍のダンサーが集まる場で自分のダンスを見せつけることが出来るその快感、そして賞金やジャッジの仕事など得られるものも大きいため、ダンスバトルは流行で終わらず、しっかりと日本にも定着していったのです。OLD SCHOOL NIGHT、POP LOCK BOX、WDCにDANCE@LIVEなど、世界に誇る日本原産のバトルイベントの存在もその大事な支柱となっています。また世界各国で優勝する日本ダンサーも数多く存在していることも素晴らしいですね。
●さいごに
平成のダンサーの活躍が、今のダンサーや未来のダンサーの活躍の土台となっていることを再確認出来たのではないでしょうか。そしてようやく令和の時代に差し掛かったところですが、次回のコラムで、そのダンサーの姿について見ていきましょう。
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