「個」が主体となるダンサー戦国時代
「個」が主体となるダンサー戦国時代
当コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。ストリートダンスのあれこれについて日々書き綴っているこのコラムですが、今回は【 令和のダンサーのサバイバル術とは 〜 前編 〜 】という記事、そして同タイトルの【〜後編〜】の続きの内容になります。よろしければそちらも併せてお読みいただけますと幸いです。まずは前回までの概要についてお話しさせていただきます。
●発端
筆者に長年師事してくれている生徒が高校生となり、その進路相談をされたことから話は始まります。ダンサーとして本気で活躍したいのか、趣味の範囲で続けていきたいのか、プロダンサーである筆者の目線から伝えられることを整理していました。そうしていく中で、令和を生き抜くダンサーのヒントが見つかればと思い至ったのです。
●2000年〜2010年代のダンサーの活躍のシーン
当時のダンサーといえば、下記の項目に該当する活動をする人がほとんどだったと言えるのではないでしょうか。
①ダンスコンテストで優勝など功績を残すこと
②アーティストさんのライブやテレビ出演時のバックダンサー
③ダンス番組にチームでの単発出演
④バトルで名声をあげる
⑤スタジオや専門学校などでのインストラクター
※ 各項目については前回のコラムをご参照ください
これらの活動が今のダンサーや未来のダンサーの活躍の土台となっていると言えるのではないでしょうか。そして本題となる、令和の時代のダンサーの姿について見ていきましょう。
●2020年前後のダンサーの傾向
それはまさに【 SNS戦国時代 】と称しても過言ではないのではないでしょうか。皆さんご存知のとおり、SNSとはソーシャルメディアネットワークサービスの略称であり、世界中のいたる所にいる人と繋がって文章、画像、動画などのやりとりが出来る時代となりました。さらにコロナ禍の影響でその使用頻度や活用方法は格段に加速・拡大したのは記憶に新しいかと思います。
以前のように、ダンススタジオに行かなくてもオンラインでレッスンを開催したり受講できるようにもなりました。自宅にいて仕事になるのであれば移動にかかる時間や費用、スタジオレンタル代なども不要となり、とても効率的です。また、収容人数や空き状況の問題など、スタジオの場所も関係なくなることから、うまくいけば普段より多くの方にレッスンを楽しんでもらうことも出来るのです。
レッスンを受ける側のメリットも多々あります。他の人と接することなく安心して受けられたり、今まで受講することのかなわなかった、遠方、果ては世界中のダンサーのレッスンを体験することも可能になったのです。
そのレッスンの発信の方法もまたSNSを活用するわけです。伝わりやすい文章や有意義な内容を提示したり、受けたくなるような魅力的な画像や動画を作って参加者を募集してみるなど、また違った角度でダンサーのスキルアップやセンスも問われる時代です。
もちろん、出来ることならレッスンやパフォーマンスは、直接会って生で体感するのが一番成長や刺激に繋がるとは思います。ただ、今はやはりダンスイベントに個人の振付でナンバー作品を出展する場合や、バトルなどのイベントで出演者を募る場合も、SNSを活用する場合が多くなってきているのも事実ではないでしょうか。以前は直接話したり口コミなどで募集や申し込みをすることしかできなかったのですが、それプラス、SNSで募集や検索をすることで、お互いに可能性が広がるわけです。
SNSを活用し、文章、画像、動画などを駆使し、ダンスを見てもらったり作品に参加してもらったり、そうして仕事に繋げて生きていく。それが令和のダンサーのサバイバル術の1つであると言えるのではないでしょうか。
●職業としてのダンサーの在り方を考えよう
以前からダンサーは個人事業主であり、自分が社長であり自分をプロデュースして自分で稼いでいかなければならない職業であると言えるのですが、現代はその要素がより色濃くなり、より対応力が必要な時代になってきているのではないかと感じます。レンタルスタジオなどもとても多くなっています。それを利用して、プライベートレッスンやワークショップやダンスイベントなどを主催したりするダンサーも多くなってきました。そうした時代の流れに乗りながら、ダンサーは逞しくなっていくのではないでしょうか。
2000年代まで主流であったダンスチームなどの複数人での活動から、バトラーやコレオグラファーなど個人での活躍のチャンスも増えていきました。2010年代からは、自らサークルや会社を創設したり、SNSやオンラインサービスを駆使した活動など、時代に合った幅広い対応の出来るダンサーが生き残っていける時代となってなってきました。
2020年代、更にいろいろな状況が変わっている時代です。「前はこうだったのに」「今はこれがやりづらい」などと前時代に囚われることなく、大事にすべきことは活かしつつ、新時代を生きられるダンサーになっていきましょう。若きダンサーの卵たちの台頭にも期待したいですね。
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