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COLUMN

ビデオの進化とダンスの関係性 〜 後編 〜

公開日:2023年01月08日(日)

ビデオの進化とダンスの関係性 〜 後編 〜

 

HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回は【 ビデオの進化とダンスの関係性 〜 前編 〜 】という記事の続きの内容になります。よろしければそちらも併せてお読みいただけますと幸いです。まずは前回の概要についてお話しさせていただきます。

●スマホ登場以前のビデオとダンス
2000年代以前は、リアルなダンサーを見に行くにはダンスイベントに行くのが一番の手法でしたが、【 その場にいないと見ることができない 】という事実が、イベントやダンサーそのものの価値を何よりも高めていたと言えます。その貴重なパフォーマンスを映像におさめるには、高価で重い家庭用ビデオカメラを持参してせっせと撮影するしかありませんでした。

iPhoneなど、いわゆるスマホが普及されてきた2014年辺りには、誰でも手軽に動画の撮影・編集・共有などが出来る環境となりました。筆者も例に漏れず、存分にダンス活動に活用させていただいております。その活用方法や、それに伴って生じたメリットやデメリットなどをお話ししていきましょう。


●簡単に撮影・共有、そのメリット
みなさんはどのような場面で動画を撮影したり共有したりしていますか?筆者がダンスに関する場面の中で、よく撮影するシーンについて考えてみます。

レッスンやナンバー、チームなどで振付を作った時に記録用、練習用として動画におさめておく。共有する場合もあります。他には、ダンスイベントや発表会、その他の仕事などで踊った本番のステージを撮影し、記録として保存したりSNSにアップして見てもらうことができます。主にこういったところでしょうか。これらのメリットについて考えてみましょう。

・事前に振付などを覚えてきてもらうことができる
限られた練習時間を効率的に活用するために、事前に振付や構成の解説動画を撮影し、共有しておくことも可能です。

・アドバイスや改善点を明確に伝えやすい
文字だけでも伝達することはできますが、動画を用いれば「この部分がこう違うので、こう直して欲しい」というような修正はよりわかりやすく伝達できます。

・その場で決めた変更点や注意点などを忘れない
自分自身、指導しながら変更したりしていると、せっかく改善できても忘れてしまうこともあり、それでは意味がありませんね。その日に休んでしまった人にも事後に伝えることもできます。

・その場で見切れなかったチェックができる
大人数での作品を作っていたりオーディションをする場合、どうしても全員を隅々までチェックするのは難しいため、ゆっくりと確認できる動画を活用するのもよい手ですね。

・やりっぱなしで終わらず、SNSで公開するなどして次の活動へ繋げる
時間をかけて作り上げたショーケースのこだわりや本番の臨場感などを動画という形に残しておくことで、後日YouTubeや SNSなどにアップロードし、たくさんの人に見てもらうことができます。それを見た人がまたその人に振付を依頼したり、ゲストショーを依頼したり、そういった仕事に繋げる役にも立ちます。

・何度も繰り返し確認できる
1〜2回言われただけでは理解出来ない人もいたり、身につけられない技術もあったりするのも事実です。そうした場合、何度も同じ部分を再生したり、左右反転やスロー再生などいろいろな機能を駆使して自分のペースで練習していくことができます。


●デメリットはどんなところか
利点や長所があれば、欠点や短所も持ち合わせているのが世の常ですよね。気軽に動画が撮れる時代になったがゆえのデメリットとは何か、整理していきましょう。

・動画に頼りがち
その場で覚えたり、その日の練習やレッスンに出られなくても「あとで動画で見ればいいや」という考えを持ってしまう人もいるようです。ある意味効率的ですし、ちゃんと練習すれば問題はありませんが、結局やってこないような残念な人にならないよう気をつけましょう。動画頼りにせず、できるだけその場でしっかり吸収できるよう集中して練習するのが一番効率がよいのではないでしょうか。

・立体的にその動きを捉えることが難しい
三次元の人間が踊る動きならば、言わずもがな三次元で認識する必要があります。動画の画面は二次元なので、必ずしも自分が認識しやすい角度から撮影されているとは限りません。これによって、間違った認識で振付や技術を覚えてしまう場合もあります。見えない部分も想像力を働かせてしっかり身につけられるようになれば問題ないかもしれませんね。

・情報や技術の希少価値が薄まる
これが一番のデメリットではないでしょうか。イベントやレッスンなど、直接現場で見たり教わったりしないと得られない感動やテクニックが「あとで動画で見せてもらえばいいや」「きっと誰かがアップしてくれるだろう」「レッスンに行かなくても真似すればいいや」などという軽い考えになってしまうのだとしたらもったいないです。もちろん実際生でしか伝わらないもの、得られないものはあるので、そこで止まってしまっている人が一番もったいないかもしれませんね。


●さいごに
誰でも気軽に撮影などが可能になったのはとても便利で良いことだと思います。それによって失われるものもあるのは仕方がないことかもしれませんが【本物】には決して揺るがない価値があるのではないでしょうか。

 

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