ボーダレスかつプライスレス!イントラナンバーの魅力
ボーダレスかつプライスレス!イントラナンバーの魅力
HIPHOP、LOCK、POP、HOUSE、BREAK、WAACK…いわゆるストリートダンスのあれこれについて書き綴っているこのコラムですが、今回は【
ボーダレスかつプライスレス!イントラナンバーの魅力 】というテーマです。皆さんはダンスの発表会でしばしば見られる「イントラナンバー」というものをご存知でしょうか。イントラナンバーとは、ジャンルやクラスの垣根を超えて、いろいろなダンサーが一度に踊る、豪華な幕の内弁当のような、その日限りのスペシャルなパフォーマンスです。今回はそのイントラナンバーというものにフォーカスを当て、文章をお届けしてまいります。
●イントラナンバーとは
まずは、イントラナンバーとは何かをご存知でない方のために簡単にご説明させていただきます。イントラナンバーとは「インストラクターナンバー」の略称です。そもそも「ナンバー」とはインストラクター、または振付師(コレオグラファー)による個別の作品で、3〜5分前後のダンスショーケースである場合が通例となっています。
ダンススタジオでは普段、曜日や時間ごとにダンサーがそれぞれレッスンを行っており、発表会が開催される場合はそれに向けて3ヶ月ほど前から作品創りをしていきます。そうして「○○ナンバー」というようにダンサーの個人名を冠した作品群が本番では披露されるわけです。
そこに参加しているインストラクター達が集まり、1つの作品を創って踊るのが「インストラクターナンバー」すなわち「イントラナンバー」です。普段のレッスンでは顔を合わせないダンサー達が一同に会し、それぞれの能力や相性などを共有しあい、作品を組み立てていきます。個々の良さを見せるソロや、ジャンルの近いダンサーで行うパートがあったり、全員で踊るユニゾンなど、盛り上がる展開をつけていきます。
●イントラナンバーの魅力
イントラナンバーは、大抵発表会の最後を締めるようにラストに配置される場合が多いです。発表会とは生徒さんたちの日々の練習の成果を発表する場であり、あくまでも主役は生徒さんたちだと思うのです。生徒さんたちが大きく煌びやかなステージで輝けるよう、インストラクターやスタジオのオーナーやスタッフ、舞台関係のスタッフの皆さんたちがその日のために力を結集させます。
イントラナンバーは、そんな生徒さんたちへのご褒美ともなるのです。自分が時間や労力を費やして(なんなら生活の全てをそこに注ぐように過ごす人もいます)、師事している先生のカッコいいダンスが見られるわけですから、嬉しくないわけがありません。また、自分たちの出番が終わり、解放感がある状態でレベルの高い先生達のダンスが見られるのですから楽しいに決まっています。
生徒さんにとってもある意味プレゼントのようなイントラナンバーですが、インストラクター側にとってもメリットはあるのです。
・普段交流のないダンサーとの交流
前述したとおり、同じスタジオのインストラクター同士といえども、自分のレッスンの前後でない先生達とは会う機会がありません。そういった人たちが一緒に踊る機会なので、それをきっかけに交友関係が深まったり、スタジオの雰囲気がよくなったりしていくのです。
・普段接する機会の少ないジャンルに触れる
自分の専門ジャンルのみでレッスンやパフォーマンス・振付などをして生活しているダンサーは多いです。イントラナンバーでは、さまざまなジャンルのダンサーが集まりますが、全員で踊るユニゾンでは、軸となるダンサーの得意ジャンルで振付がなされる場合が多いです。いつもはHIPHOPしか踊っていないダンサーのLOCKであったり、POPPERによるHOUSEであったり、TAPダンサーがヒップホップを踊ったり…いろいろなクロスオーバーが生まれます。
自分の生徒や、ほかの生徒さんにも注目されるイントラナンバーですから「専門ジャンルじゃないからうまく出来ない」と言い訳するのも格好がつきません。そこで普段慣れていないダンスも練習することでプラスにもなります。
・自分のダンスを思いっきり見せつけられる舞台
各ナンバーはそれぞれのダンサーの振付、構成、選曲や衣装・照明など全てを含めた「作品力」を見られます。自分が踊るよりも、振付をする方が得意であったり好きであるダンサーも少なくありませんし、衣装や照明などで普段のレッスンとは違う良さを引き出せるので、腕の見せ所となります。一方イントラナンバーは、個々のソロパートが設けられる場合が多く、自分のダンスだけを見せつけられる瞬間です。
日常的に受けているレッスン以外のダンサーさんの本気のパフォーマンスを見て「今度あの先生のレッスンも行ってみよう!」「あのジャンル初めて見たけどカッコいい!」というように興味を持たせることもできるため、レッスンの生徒さんを増やす効果も期待できます。友達の応援に来た、というお客さんもそれを見てレッスンを受けに来てくれる可能性もあり、それはもちろんスタジオ的にも嬉しいことですので、思う存分ソロを見せつけましょう。
●さいごに
見る側にも踊る側にも、また運営側にも特典となり得るイントラナンバーは、やはりダンス発表会の魅力の1つと言って差し支えないでしょう。
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